X(旧Twitter)では、レバナス(レバレッジ型ナスダックETF)やSOXL(3倍の半導体ETF)、レバレッジFANG+(FANG+指数の2倍)を購入している投資家の投稿をよく見かけます。特に「株クラ」と呼ばれる投資アカウントたちは、短期間で資産を大きく増やすことを狙い、これらのハイリスク商品に積極的に手を出しています。
しかし、これらのレバレッジETFは大きく儲かる可能性がある一方で、急激な下落で資産が一気に減ってしまう危険性もあります。この記事では、株クラがなぜレバレッジ商品に手を出すのかという理由を解説しながら、初心者が陥りやすい投資の落とし穴にも警鐘を鳴らします。
これから投資を始める方や、新NISAを活用して資産形成を目指す方にとっても、参考になる内容となっています。
- 株クラとは?Xで見かける投資家たち
- レバナス、SOXL、レバレッジFANG+とは?わかりやすく解説
- なぜ株クラはレバレッジ商品に惹かれるのか
- レバレッジ商品の落とし穴
- 本当にレバナスは「勝てる投資」なのか?
- まとめ:冷静な判断で投資を選ぼう
株クラとは?Xで見かける投資家たち
「株クラ」とは、X(旧Twitter)上で株式投資に関する情報を発信している個人投資家のコミュニティです。
日々の株価の変動や投資方針、保有銘柄の成績などを投稿しており、投資に興味のある人たちの間で人気を集めています。
彼らの投稿には、投資初心者が参考にしたくなるような情報もありますが、中にはリスクの高い投資を積極的に行う投稿もあり、注意が必要です。
レバナス、SOXL、レバレッジFANG+とは?わかりやすく解説
- レバナスは、「NASDAQ100指数(ナスダック100)」に「2倍のレバレッジ」をかけて値動きするETF(上場投資信託)です。
- SOXLは、「米国の半導体関連企業」の指数に対して「3倍のレバレッジ」がかかっています。
- FANG+(ファングプラス)指数は、米国の大型テック企業を中心に構成された超グロース(成長)銘柄の詰め合わせで、FANG+レバレッジはFANG+指数の1日の値動きの「2倍」を目指す商品です。
つまり、これらの商品は、対象となる指数が1%上昇すれば、レバナスは約2%、SOXLは約3%値上がりします。その一方で、下落時には2倍・3倍の損失が出るため、非常にハイリスク・ハイリターンな商品です。
なぜ株クラはレバレッジ商品に惹かれるのか
レバナスやSOXLのような商品は、うまくタイミングが合えば短期間で大きなリターンを得ることができるため、Xでは「数日で資産が倍に」などの投稿が拡散されやすい傾向にあります。
これにより、初心者でも「自分もやってみたい」「波に乗り遅れたくない」と感じるFOMO(取り残される恐怖)の心理が働きます。
また、少額資金でも大きな利益を狙えるという点から、「夢のある投資法」として一部の投資家に支持されています。
レバレッジ商品の落とし穴
一見魅力的に思えるレバレッジETFですが、下落相場ではそのリスクが一気に表面化します。たとえば指数が5%下落しただけで、SOXLは15%も下落する可能性があります。
さらに、レバレッジ商品はボラティリティ・ドラッグと呼ばれる現象により、横ばい相場や小さな上下を繰り返す状況では、資産価値がじわじわと減っていく特性があります。
そのため、長期保有には適しておらず、相場が悪化した際には致命的な損失を抱えることになりかねません。
本当にレバナスは「勝てる投資」なのか?
SNSで目立つのは「成功者」の声がほとんどです。しかしその裏では、多くの人が含み損を抱えながらも表に出せずにいるという現実もあります。
投資は自己責任とはいえ、ハイリスク商品を軽い気持ちで購入してしまうと、後悔する結果になるかもしれません。
特に2025年に入ってからは大幅に下落をしており、現時点ではとてもお勧めできません。
まとめ:冷静な判断で投資を選ぼう
レバナスやSOXLは、タイミングが良ければ大きなリターンを狙える反面、非常に高いリスクを伴います。SNSの情報に流されず、自分の投資方針やリスク許容度をよく考えることが大切です。
これから投資を始める方は、インデックス投資や積立投資などの堅実な方法からスタートすることをおすすめします。特に、新NISAの積立投資枠を活用すれば、非課税で資産形成ができ、長期的に安心して続けられる方法です。