人は「得をしたい」よりも「損をしたくない」という気持ちの方が強い――この心理は「プロスペクト理論」と呼ばれ、投資の世界でも大きな影響を与えています。本記事ではこの心理的な傾向が株やFXなどで資産を減らしてしまう理由を解説し、ギャンブルではなく「資産を育てる行為」としての長期投資の重要性をやさしく紹介します。
人間は損を過剰に恐れる生き物
行動経済学における「プロスペクト理論」によると、人は同じ金額でも「得する喜び」より「損する苦しみ」の方が強く感じる傾向があります。
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100円得した時の嬉しさ:1の喜び
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100円損した時の悲しさ:2.25の悲しみ
この差が、投資行動にも影響を与えます。
なぜ損を恐れると資産が減るのか
プロスペクト理論により、人は以下のような行動をとりやすくなります。
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含み損が出たら「これ以上減るのはイヤ」と思い、すぐ損切り
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含み益が出たら「利益が減るのはイヤ」と思い、すぐ利確
これでは大きな利益を得ることができず、小さな損ばかりが積み重なってしまうのです。
長期投資はギャンブルとは違う
投資と聞くと「ギャンブル」だと感じる人も多いかもしれません。しかし、短期での値動きに振り回されるからギャンブルに見えるのであって、時間を味方につけた長期投資は全く異なるものです。
長期投資の特徴:
プロスペクト理論を乗り越える方法
人間の心理を変えるのは難しいですが、対策は可能です。
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あらかじめ売買ルールを決める
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自分の感情に投資判断を任せない
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チャートを頻繁に見ない習慣をつける
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長期目線で企業やインデックスの将来性を信じる
まとめ:資産を育てるという考え方を
「損をしたくない」という気持ちは自然なものです。しかし、短期の値動きに一喜一憂する投資では、結果的に資産を減らす可能性があります。だからこそ、感情に左右されず、コツコツと時間をかけて資産を育てる長期投資が大切なのです。
特に新NISAなどを活用すれば、税制面のメリットも受けつつ、将来の資産形成が可能です。今からでも遅くありません。投資は「お金を増やすギャンブル」ではなく、「未来の自分に仕送りする」感覚で始めてみませんか?