2025年6月5日、トランプ大統領とイーロン・マスク氏がSNSで互いに非難を浴びせあったことで、テスラ株は終値で14%の急落を記録しました。一見すると政治と経済の対立のようにも見えるこの出来事ですが、実は「猿芝居では?」という見方もあり、マーケットの本質を考えるきっかけになっています。この記事では、今回のテスラ株急落の背景と、本質的に株式投資で重要な「握力(ホールド力)」について、初心者にもわかりやすく解説します。
- トランプ氏とマスク氏の対立劇に市場が反応
- 「DOGE(政府効率化省)」問題とEV補助金は単なる材料?
- 機関投資家の売買と個人投資家の心理操作
- 長期投資家に必要な「握力」と信念
- まとめ:茶番に振り回されず、信じた企業と共に
トランプ氏とマスク氏の対立劇に市場が反応
今回のテスラ株の急落は、単なる口喧嘩では済まされないインパクトがありました。ですが、背景を冷静に見ていくと、そこには明らかな「演出」の匂いも感じられます。
あまりに芝居がかっていたため、一部の識者からは「茶番」「プロレス」といった言葉も飛び交いました。実際にこのやりとりがテスラの事業にどれほど実害を与えたのかは、冷静に見極める必要があります。
「DOGE(政府効率化省)」問題とEV補助金は単なる材料?
マスク氏が問題視したのは、EV市場に対する政府の冷遇です。具体的には、トランプ陣営の政策転換によって以下のような影響が出ています。
しかしこれらは、2024年の共和党政権復帰の時点で想定されていた政策でもあります。今回の「激怒」は、むしろ今後のパフォーマンスや販売戦略への注目を集める目的だった可能性すらあります。
機関投資家の売買と個人投資家の心理操作
テスラ株は、長年にわたって投機的な動きの中心でもありました。今回のような報道は、機関投資家が短期的な値動きを利用して利益を得る「ガス抜き」の一環だったという見方もできます。
実際に見られる傾向:
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短期的な悪材料で一時的に売り圧力を高める
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信用売りによって下落を演出
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株価が下がったところで買い戻し、再度上昇
このように、ニュースで動揺した個人投資家が狼狽売りをし、機関投資家の利益に貢献してしまう構図が繰り返されているのです。
長期投資家に必要な「握力」と信念
このようなボラティリティの高い場面でこそ、長期投資家は冷静な判断力が問われます。
アメリカの有名投資家:ウォーレン・バフェット氏
「株式市場は、短気な人間から忍耐強い人間へと富を移転する仕組みである」
経済評論家:山崎元さん
「経済の世界は、リスクを取っていいと思う人が、リスクを取りたくない人から利益を吸い上げるようにできている」
一時の下落で狼狽するのではなく、以下の視点で判断すべきです:
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自分が信じている企業かどうか
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ビジネスモデルに将来性があるか
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一時的な報道に振り回されていないか
特にテスラのようなハイテク企業は、成長の裏に大きな波があります。その波に耐えるには「ガチホ(ガチでホールド=売らずに持ち続ける)」の精神が不可欠です。
まとめ:茶番に振り回されず、信じた企業と共に
今回のトランプ氏とマスク氏の騒動は、マーケットに一時的な動揺をもたらしましたが、本質的にはエンターテイメントの要素も強いものでした。むしろ、下落を利用して利益を得ようとする大口投資家にとっては絶好の機会だったとも言えます。
私たち個人投資家がすべきことは、短期的なノイズに惑わされず、「自分が信じる企業を長期的に応援し続ける」という姿勢を保つことです。
次の株価上昇局面は、こうした握力を持った人たちの手に富を運んでくるでしょう。