最近ではAIや半導体、ドローンといったトレンド分野の企業に注目が集まり、「この株は将来テンバガー(10倍株)になる!」という声がSNSでも飛び交っています。しかし、かつてのドットコムバブルのように、一時の流行に踊らされるだけでは大きな損失を被る可能性もあります。本記事では、テンバガー狙いの落とし穴と、10年後も持ち続けられる銘柄選定の大切さについて、ZoomやIntelの実例をもとにわかりやすく解説します。
ドットコムバブルに学ぶ投資の過ち
かつて2000年代初頭、会社名に「.com(ドットコム)」と付けるだけで株価が跳ね上がる、そんな信じられない時代がありました。
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インターネットの登場で未来に対する期待が一気に高まった
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実態のない企業にも資金が流れ、バブルが発生
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多くの企業が数年で倒産、株価も紙くずに
この教訓は、「期待」と「実績」は別物だということを私たちに教えてくれます。いくら時代の先端を行く事業であっても、中身の伴わない企業は長くは続きません。
今も似たような熱狂が起きていませんか?
現在の市場にも、かつてのドットコムバブルを思い出させるような熱狂が見られます。AIや半導体、ドローンといった技術トレンドに乗っている企業が、まるで将来の勝ち組のようにもてはやされています。
確かに未来を変える企業はこの中から現れるかもしれません。しかしそれはほんの一握りであり、すべての流行株が報われるわけではないのです。
本当に「10年後も持ち続けられるか」を考える
投資で成功するには、「買ったあと10年後も持ち続けられるか?」という視点が欠かせません。
たとえば、ZoomやIntelは一時的に非常に注目されていた銘柄ですが、現在は当時の最高値に戻ることすら難しい状況です。
どちらも「持っていれば将来安泰」と思われていた時期があったのです。それでも、業界構造や競争環境の変化に対応できなければ長期投資の対象とは言えません。
精査せずに買うのは投機と変わらない
流行に乗って買うこと自体が悪いわけではありません。ただし、それが「精査なく買ってしまう行為」であれば、もはや投資ではなく投機です。
長期保有できるかを見極めるには、以下の視点が重要です:
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競争優位性があるか(他社と差別化されているか)
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安定したキャッシュフローや財務体質か
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今後も成長が見込める分野か(人口動態や需要予測)
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経営陣の実績や戦略が明確か
このような観点で銘柄を一つずつ見ていくことが、テンバガー以上に大切な「資産防衛」につながります。
まとめ:流行に流されず、自分の軸を持とう
SNSやYouTubeでは、目を引くような銘柄が日々話題になります。しかし、大事なのは「10年後、自分の資産を託してよかった」と思える企業かどうかです。
流行りのテーマに投資するのも一つの手ですが、「流行=成功とは限らない」という冷静な目を忘れずに持ちましょう。
自分なりの判断基準を持ち、「どんな未来でも持ち続けられる企業か?」という問いを常に忘れずにいたいものです。