「利確こそ正義」「損切りが重要」といった短期目線のアドバイスがSNSやYouTubeでは多く見られます。しかし、長期投資家にとって、それが本当に正しいのでしょうか?
本記事では、売らずに株を保有し続けるという考え方、そしてS&P500やオルカンなどのインデックス投資の特性から見た「売らない投資戦略」の合理性についてわかりやすく解説します。初心者や高校生でも理解できる内容を意識し、新NISAで資産形成を目指す方にも参考になる記事です。
- 「売らない投資」は間違いなのか?
- インデックスは「売らないこと」に向いている
- 含み損・含み益はただの数字。重要なのは「信じる力」
- 頻繁な売買が資産を減らす理由
- まとめ:売らないことは、未来の自分への信頼
「売らない投資」は間違いなのか?
投資系YouTuberやアナリストの中には、「早く利確しないと利益は幻」「損切りが遅れると大損する」と主張する人もいます。確かに、短期売買やトレーディングではそれが合理的な判断かもしれません。
ですが、長期で資産形成を目指す投資家にとっては、むしろ売らないという判断が合理的なケースも多いのです。
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投資の目的が「老後資金」や「数十年後の自由」なら、短期の株価変動に振り回される必要はありません
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信じて買った企業が一時的に下がっても、長期で見れば業績と共に回復する可能性は十分にある
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含み益が「幻」なら、含み損も「幻」。確定しない限りは資産の一部として保有し続ける価値があります
インデックスは「売らないこと」に向いている
S&P500やオルカン(全世界株式)といったインデックス投資は、優良企業の集合体です。しかもそれらは常に「新陳代謝」しています。
つまり、古くなった企業は外され、伸びている企業が自動的に組み入れられるため、結果として指数全体は右肩上がりになりやすい構造を持っています。
そのため、頻繁な売買を行うことは、むしろ投資効率を下げてしまいます。
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インデックスは「勝ち続ける企業だけが残る仕組み」なので、長期保有に最適
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売買のたびにタイミングのミスや税金が発生し、資産を目減りさせるリスクがある
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実際に多くのデータが、「頻繁な売買より、放置した投資家の方が成績が良い」ことを示しています
含み損・含み益はただの数字。重要なのは「信じる力」
株価は日々上下します。赤い数字を見ると不安になり、緑の数字を見ると嬉しくなってしまうのが人間です。しかし、一時的な価格に振り回されていては、大きな果実を得ることはできません。
株式を保有しているということは、企業に出資しているということ。信じた企業を支える覚悟があるなら、含み損を抱えていても簡単に手放すべきではありません。
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株は「持って応援する」ことが本質。企業の成長とともに、リターンもついてくる
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信念をもって選んだ銘柄であれば、目先の損益に一喜一憂しないことが大切
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長期的には、企業の本質的価値に株価が追いついてくると信じて待つスタンスが求められます
頻繁な売買が資産を減らす理由
経験的にも、株を頻繁に売買している人ほど、手数料や税金、タイミングのズレで利益を取り逃していることが多いです。
それに比べて、買って放置しているだけの投資家の方が、結果的に大きな資産を築いているという研究結果もあります。
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売買のたびに約20%の税金がかかる(特定口座の場合)
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短期的な値動きに惑わされて売ってしまうと、その後の上昇を逃してしまう
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「稲妻が輝く瞬間(急騰)」は予測できず、保有していないと恩恵を受けられない
まとめ:売らないことは、未来の自分への信頼
「利確しないと意味がない」「損切りができないとダメ」という意見もありますが、それは一面的な見方です。
S&P500やオルカンのようなインデックスファンドは、持ち続けることでこそ威力を発揮する投資商品です。
信じた企業、信じた指数を長期で持ち続けること。それは未来の自分に資産を渡す一番シンプルで合理的な方法だと思います。
短期的な波に惑わされず、自分の投資方針を大切にしていきましょう。投資は「自分と未来の信頼関係」であり、売らない勇気も立派な戦略なのです。