アメリカでは6月に入り、夏のバケーションシーズンに突入しました。これにともなって、市場では「システマティック投資家」と呼ばれるAIやルールに基づく売買を行う投資家たちが活発化しています。株価の上昇局面ではその動きが後押しとなる一方、下落局面では急落の引き金にもなりかねません。本記事では、AIを取り入れたシステマティック投資家の影響と、私たち個人投資家がどのように対応すべきかについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
- システマティック投資家とは?AI時代の新たな主役
- 株価を押し上げる動きにもなるが、下落時は要注意
- 昨年の「令和のブラックマンデー」もその一例
- 個人投資家にできることは?焦らず、時間を味方に
- まとめ:AIとシステムに振り回されない投資を
システマティック投資家とは?AI時代の新たな主役
最近の相場では、感情ではなくルールに従って機械的に売買を行う「システマティック投資家」が台頭しています。
このような投資家の特徴は以下の通りです。
近年では、こうしたシステマティック取引を行う投資家の半数以上がAIを導入しているとも報じられており、相場の流れに大きな影響を与える存在になっています。
株価を押し上げる動きにもなるが、下落時は要注意
現在のように株価が上昇している局面では、ルールに従って追随買いが入り、相場がさらに押し上げられることがあります。しかし、上昇が止まり、一定の下落トリガーを超えると、今度は一斉に売り注文が出され、下落が下落を呼ぶ展開になりかねません。
これはAIを用いた取引に多く見られる傾向です。
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過去のデータに基づいた「売り」シグナルが自動で発動
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他の投資アルゴリズムも連鎖して売却を開始
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結果的に、雪だるま式に下落が加速する
このような乱高下のきっかけを作っているのがシステマティック投資だと言えるでしょう。
昨年の「令和のブラックマンデー」もその一例
2024年8月に発生した急落、通称「令和のブラックマンデー」も、こうしたシステマティック取引による影響が一因とされています。短期間で急落した後、翌週には急回復という荒れた相場を演じました。
このような急変動は、投資初心者にとっては「売って逃げた方がいいのでは?」という不安を生むものです。しかし、それこそが長期投資における「チャンス」でもあります。
個人投資家にできることは?焦らず、時間を味方に
このようなAI主導の荒れ相場では、私たち個人投資家ができることは限られています。しかし、無理して短期で利益を出そうとしないことが最大の戦略です。
以下のような姿勢を持つことで、結果的に資産を増やしていくことができます。
特に、投資信託やインデックスファンドで積み立てを行っている方は、一時的な下落をむしろ「買いのチャンス」ととらえる視点が大切です。
まとめ:AIとシステムに振り回されない投資を
今後もAIを使ったシステマティック投資家の動きは、市場の変動要因としてますます重要になるでしょう。一方で、それに対応するには長期的な視点で自分の投資スタンスを守ることが何よりも重要です。
一時的な急落に惑わされることなく、時間を味方にする長期投資を続けていけば、荒れた相場の中でも資産を着実に積み上げていくことが可能です。