2025年のトランプ関税による株価下落は、多くの投資家にとって試練でした。特に長期投資を前提としたインデックス投資家にとって、含み損へのメンタルの保ち方は極めて重要です。本記事では、実際に著者が23%以上の資産減少を経験した中で、どのように冷静さを保ち続けたのかを紹介します。S&P500やNASDAQ100を中心とする米国株インデックス投資を行っている方に向けた、暴落時の考え方をやさしく解説します。

- トランプ関税ショックで23%の資産減
- インデックス投資に対する信頼が支えだった
- 「人災」である点に注目していた
- テクノロジーの未来を信じていた
- タイミングを読むのは難しい
- トレーダーと長期投資家の違い
- まとめ:暴落に備えるには「前提」を整えておく
トランプ関税ショックで23%の資産減
まず、実体験として今回のドローダウンについてご紹介します。
2025年2月の高値から4月までの間、私の資産は4,300万円から3,300万円へと約23%下落しました。もちろん、資産が日々減っていくのは気分のいいものではありません。
しかし、私は「いずれ必ず回復するだろう」という確信を持っていたため、メンタル的に大きく落ち込むことはありませんでした。不安がゼロとは言えませんが、焦りや絶望といった感情はほとんどなかったように思います。
インデックス投資に対する信頼が支えだった
資産の中心がS&P500だったことで、大きな安心感がありました。
インデックス投資は、過去の歴史を見ても暴落後に必ず回復してきた実績があります。特にS&P500は、アメリカの経済成長を反映する指数として、数々の危機を乗り越えて上昇してきました。
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ドットコムバブル
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コロナショック
こうした過去の暴落後も、数年単位で見れば高値を更新しています。今回の関税問題も、いずれ落ち着くと考えていました。
「人災」である点に注目していた
今回の株価下落は、金融ショックや天災ではなく「政治要因」でした。
戦争や自然災害、金融破綻のような深刻なファンダメンタルズ悪化ではなく、トランプ大統領による政策発言という「人災」による下落だったこともポイントです。
このように、回復可能性の高い原因で下落していたため、私は売らずに耐えることができました。
テクノロジーの未来を信じていた
アメリカの株には、未来を変える力があると信じていました。
私の投資対象はS&P500だけでなく、AIやイノベーションを担うテクノロジー株が中心でした。たとえば、NVIDIAのようにAIの中心を担う企業や、Apple、Amazon、Microsoftといった巨大企業です。
テクノロジーの未来を信じることが、投げ売りせずにいられた要因の一つです。
タイミングを読むのは難しい
予想以上に早く回復した事実から、タイミングの見極めは難しいと感じました。
正直なところ、私は「夏ごろには戻ってくるだろう」と思っていました。しかし、4月に入ると「これは年内いっぱいかかるかも…」と不安にもなりました。
そんな中、4月9日のトランプ発言で一転。
「株価が上がる、今のうちに買っておけ」
この発言とともに、90日間の関税延長が発表され、株価は反転。今ではS&P500やNVIDIAは過去最高値を更新するまでに至りました。
トレーダーと長期投資家の違い
短期売買ができる人と、そうでない人で戦略は大きく異なります。
有名な日本の投資家「テスタさん」は、もともとデイトレが中心であり、「下落してもポジションを持っていないから関係ない」と語っています。これは一理あります。
しかし、多くの個人投資家は次のような特徴があります。
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日中トレードできる時間がない
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精緻なチャート分析や売買判断スキルを持たない
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感情的な売買をしてしまうリスクがある
だからこそ、時間を味方につけた長期投資が最も有効な戦略だと私は考えています。
まとめ:暴落に備えるには「前提」を整えておく
下落そのものは避けられないからこそ、先に準備することが大切です。
暴落時に冷静でいられるかどうかは、「何を買っているか」「なぜ買っているか」という投資の前提によって大きく変わります。短期的な価格変動に心を動かされずに済むよう、
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インデックスを中心とした長期投資
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アメリカの成長性に着目した銘柄選び
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歴史的な回復パターンの理解
こうした前提を日頃から意識しておくことが、暴落に強いメンタルの土台になります。
今後も株式市場には調整や暴落はつきものですが、それを乗り越えた先に資産形成の成果が待っています。これからも、淡々と、そして自信を持って積立投資を継続していきたいと思います。